透析治療を受けている方

水分について
血液透析治療を始めると、体に余分な水分がない状態で、透析後に達成しなくてはならない目標体重(ドライウェイト)が設定されます。ドライウェイトは、血圧や心胸比、心エコー所見などをもとに医師が決定し、一般的には月に1回程度の検査値を参考にドライウェイトの見直しがされます。

体内の水分量がそのまま体重の増減につながる透析患者にとっては、「体重管理=水分管理」となります。透析間のドライウェイトの増加は、次の透析まで中1日の場合はドライウェイトの3%以内、中2日の場合は5%以内に抑えるようにしましょう。体に入る水の量と、出る水の量の差が透析間の体重増加となります。尿が出る人も出ない人も、体重増加をみながら飲み水の量を調整しましょう。

体に入る水体から出る水
・食物中の水分
(1日3食でおよそ1000~1200ml)
・尿
・代謝水
(食物が体内で燃えたときにできる水約200~350ml)
・大便(約100ml)
・飲み水・呼吸や汗(現体重×15mlとして計算)

<食事に含まれる水分を減らす工夫>

・鍋物や汁物、麺類など水分の多い料理は控えめに
・焼く、揚げる、炒めるなどの調理方法を多く取り入れる
・主食も1食は水分量が少なめのパンかおもちにする

<飲み水についての工夫>

1日500~600ccを目指す
(飲み水にはお茶、水、氷、ジュース、コーヒー、酒などが含まれ、うがいも含む。うがい1回約10cc)
・氷をなめる(氷1個20~30cc)
・お茶を熱くして少量にする
・小さ目の湯のみ茶碗、コップなどを使う

塩分について
塩分は1日6g以下に抑えましょう。塩分のとり過ぎると喉が渇き、水をたくさん飲んでしまうためむくみや高血圧を起こしやすく、心臓に負担をかけます。調味料や食品に含まれる塩分量を覚えて、無理のない減塩食を心がけましょう。

<減塩のポイント>

・1~2品に塩分を多く使い、ほかは薄味にするといったメリハリをつける
・ねぎ、しそ、生姜、ニンニクなどの香味野菜を活用する
・ごま、山椒、カレー粉、唐辛子などの香辛料を活用する
・酢、レモン、ゆず、すだちなど香りや酸味を活用する
・少量の醤油を酢やだし汁で割って使う
・最初から味付けするのではなく、食べる際に調味料をつけて食べる
・調味料を量る習慣をつける
・外食時は、単品よりも自分で塩分調節ができる定食のようなメニュー
 を選んだり、市販されている小袋タイプの減塩調味料を持ち歩いたりする