透析治療を受けていても旅行はできます。透析治療を受けながら生活をする中でもっとも大切なのは自己管理です。旅行中でも透析日にはきちんと透析を受ける、食事や水分はいつもと同じように注意を払う、無理はしないなど、日常生活の基本を守りましょう。旅行の計画を立てる際は、まず透析のかかりつけ医に相談しましょう。医師の許可が出たら、体調を整えてしっかり準備をして出かければ、安心して旅を楽しめます。また、よい気分転換となり、療養生活への意欲を高めるきっかけにつながることもあります。
国内旅行の流れ
観光や出張、帰省などによる国内旅行では、患者自身で計画を立てることが多いでしょう。その際はまず、旅先の透析施設を探します。透析施設の探し方は、インターネット上で「旅行透析」「臨時透析」「観光透析」などの言葉で検索する、通院している透析施設に相談する、旅先にある全腎協の腎友会に連絡するなどの方法があります。
①旅行先、日程を決める ⇓ ②透析を受ける日にち、時間帯(昼間、夜間など)を決める ⇓ ③旅行先の透析施設を探す ⇓ ④旅行の1か月ほど前までに旅行先の透析施設に透析の依頼をする ⇓ ⑤主治医に紹介状、診療情報(人工透析の治療条件、検査データなど) を書いてもらい、旅行先の透析施設に送る |
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旅行先の施設での治療費には、公的医療保険や特定疾病療養受療証などが利用できます。また、健康保険証は必ず携帯しましょう。
各都道府県独自の医療費助成は、旅行先の施設では受けられないこともあります。その場合は、旅行後に居住地の市区町村で手続きし、助成分を支給してもらいます。その際、旅行先の施設に診療の内容の明細などを記載してもらうことが必要になる場合があるため、旅行前に市区町村の担当窓口に手続きの必要性の有無、必要書類などを確認しておきましょう。
最近では、防災対策の一環として、近隣や他県などのさまざまな透析施設で透析を受けておく重要性もいわれています。万一、普段通院している透析施設が被災し治療を受けることができなくなっても、ほかの施設で透析を受けたことがあれば、焦らずに避難先などの透析施設を利用できるからです。透析治療は、施設によって細かな手順の差異はあっても、基本的な治療方法は同じです。患者自身の透析条件(シャントの場所、血圧、ドライウエイト、透析時間、血流量など)が明確であれば、どこの施設でもスムーズに透析を受けられます。
各都道府県独自の医療費助成は、旅行先の施設では受けられないこともあります。その場合は、旅行後に居住地の市区町村で手続きし、助成分を支給してもらいます。その際、旅行先の施設に診療の内容の明細などを記載してもらうことが必要になる場合があるため、旅行前に市区町村の担当窓口に手続きの必要性の有無、必要書類などを確認しておきましょう。
最近では、防災対策の一環として、近隣や他県などのさまざまな透析施設で透析を受けておく重要性もいわれています。万一、普段通院している透析施設が被災し治療を受けることができなくなっても、ほかの施設で透析を受けたことがあれば、焦らずに避難先などの透析施設を利用できるからです。透析治療は、施設によって細かな手順の差異はあっても、基本的な治療方法は同じです。患者自身の透析条件(シャントの場所、血圧、ドライウエイト、透析時間、血流量など)が明確であれば、どこの施設でもスムーズに透析を受けられます。
海外旅行の流れ
海外旅行を計画する際は、飛行時間や時差を考慮して余裕のある日程を組むこと、旅行先の透析予約を確実に行うこと、帰国後に治療費の一部還付を受けるために必要な書類を整えることなどに気を付けましょう。
<旅行前の準備について>
①海外旅行が可能かどうか、かかりつけ医に相談する(旅行の約2~4か月前) ⇓ ②旅行先、日程を決める(飛行時間、時差などを考慮して余裕のある日程を。 旅行先での透析回数はかかりつけ医の指示に従う) ⇓ ③旅行先の透析施設を探す(旅行の約2~3か月前。インターネットなどを利用し個人 で探すか、旅行代理店や海外透析予約代行専門業者などを使って探す) ⇓ ④透析の予約申し込み(旅行の約2か月前) ⇓ ⑤旅行先の透析施設から医療情報(メディカル・レポート)の作成依頼がくるので、 かかりつけ医に書類作成を依頼する(国や施設によっては肝炎やHIVなど感染症 の検査を必要とするところもあり、時間がかかることも予想されるので余裕をもって 準備する) ⇓ ⑥海外旅行保険に加入する(旅行先での盗難、航空機の遅延などさまざまな ハプニングを補償する保険には必ず加入。旅行前からの既往症や持病が急に 悪化した際の応急治療費用なども対象となる保険もあるので、内容をよく確認 して最適なものを選ぶ) ⇓ ⑦還付申請書類の確認・入手(海外での透析治療費について還付が受けられるが、 健康保険の種類や自治体によって必要書類が異なる場合があるので、事前に確認する) |
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<旅行中に注意すること>
~往復の飛行機内~
~往復の飛行機内~
・国内外の大手航空会社では、低塩食や糖尿病対応食などが用意されています。 必要な方は事前に手配しましょう ・長時間のフライトの場合、むくみ防止のため体を動かしましょう。 通路側の座席だと体を動かしやすいです |
~透析施設~
・予約した透析施設の場所と行き方をあらかじめ確認しましょう。 大病院の中にあったり、分かりにくい看板だったりと、慣れない場所で 透析施設を探すのは一苦労。 宿泊するホテルなどで行き方を教えてもらうなどしておきましょう。 ・海外では冷房が非常によく効いている施設も多いです。 特にハワイなど暖かい地域では寒いほどという話も。上着や毛布、靴下など 防寒具を用意しておくとよいでしょう。 ・透析中に軽食が出る施設もあります。事前に食事が出るかどうかを確かめておきましょう。 ・海外の透析施設では、ベッドではなく椅子に座ったままの姿勢で透析を行うところも多いです。 また、着替えをせずに来院のままの服装で治療を受けることがほとんどですので、 治療を受けやすい服装がよいでしょう。 ・透析費用は、国や地域によって異なります。 アジアの場合で1回あたり2~5万円、アメリカでは4~5万円、オーストラリアは8万円程度が 目安となります。支払いは現金、クレジットラベラーズチェックなど施設によって異なるので 事前に調べておくとよいでしょう。 また、複数回透析を受ける場合、初回か最終日にまとめて支払うケースが多いようです。 ・透析日を間違えず、予約時間には遅れないようにしましょう。 透析が始まる前に説明がある場合もあるので、少し早めに到着するようにしましょう。 |
~食事について~
・海外旅行では食事がひとつの楽しみでもあり、思いがけず食事量が増えることもあります。 塩分やカリウムの多い食事には注意しましょう。少し食べ過ぎた場合は、次の食事で調整 するなどで調整します。 移動時間が長い場合は、減塩・低カリウムのパンやスナックなどの携帯食品を持参すると便利です。 |
<帰国してからの手続き>
・海外での透析治療費は、透析を受けた時点では実費を支払います。 日本に帰国してから申請することで、治療費の一部に健康保険が適用され、 給付範囲内で還付されます。ただし、健康保険の種類や自治体によって異なる場合が あるので、事前に確認しておきましょう。 ・一般的に還付申請に必要なものは、「療養費支給申請書」「診療内容明細書(※日本語訳が必要」」 「領収明細書(※日本語訳が必要)」「治療費全額の領収書(原本)」「パスポート」「印鑑」 「銀行口座がわかるもの」 ・必要書類で還付の申請をしたあと、書類審査を経て支給額が決定されます。 申請月から2か月くらいで支給されます |