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検査方法について

検査方法は腎臓病の種類によっても異なりますが、一般的な健康診断で行われる検査も、慢性腎臓病(CKD)の早期発見の重要な手がかりになります。
実際、腎臓病患者のうち70%以上の方が健康診断をきっかけにして病気が分かったというデータがあります。腎臓の機能を調べるためには、主に以下のような検査が行われます。


尿検査(早期発見)

尿にタンパク質や血液が漏れ出ていないかを検査します。ただし、発熱や激しい運動などでもこれらが出ることはあるので、1度検出されたら必ず2~3度繰り返して検査し、確認する必要があります。
病院で行う検尿病院で行う尿の検査では、検出用テープや試薬を使うほかに、尿を遠心分離器にかけて顕微鏡で調べる尿沈渣を行います。血尿のある場合には、出血の場所の判断にも役立ちます。尿検査では、タンパク尿のほかにも、糖や潜血、比重、pH、白血球、細菌、腫瘍の有無などのさまざまな異常が分かります。
自己検尿のすすめ特にタンパク尿が出ている方は自己検尿をするとよいでしょう。毎日の生活に無理がないか、血圧や食事療法をうまく管理できているかが分かります。朝いちばんの尿で検査してみてください。薬局で市販されている検尿テープを使って簡単にできます。
蓄尿検査検尿でタンパク尿を指摘されても、発熱や激しい運動をした後などその時の状況や尿の濃さなどさまざまな要因でタンパク尿の程度は大きく影響され、1回だけの尿検査では正確には分かりません。そこで、一定時間に出るタンパク尿を正確に測ることが大切です。通常、蓄尿検査では1日(24時間)の尿を溜めます。24時間蓄尿検査は、1日の尿タンパク量を調べるだけでなく、尿の成分を調べることで1日に食べたタンパクの量や塩分、カリウム、リンなどの量も知ることができるので、適切な食事療法が行われているかどうかも分かります。また、腎臓の詳しい機能を調べるために必要な検査です。

血液検査(進行度合いの確認)

定期健診などで一般的に行われる検査です。さまざまな値を調べて腎臓の機能を確認しますが、そのなかでも大切なのが血清クレアチニン値です。血清クレアチニン値が分かると、腎臓の機能を数値的に確認できます。

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血中尿素窒素(BUN)

血液中に含まれる窒素量を調べる検査です。尿素窒素は、タンパク質が利用された後にできる老廃物です。本来は、腎臓の糸球体でろ過され尿中に排泄されますが、腎機能が低下するとろ過しきれずに血液中に溜まるため、血液中の尿素窒素の値が高くなります。
血中尿素窒素の正常値は20mg/dl以下です。
注意
尿素窒素は、タンパク質の摂り過ぎ、消化管からの出血、脱水、発熱、甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍などでも数値が上昇します。逆にタンパク質の摂取不足や肝不全では数値が低くなります。このように、腎機能以外の影響も受けやすいので、腎機能の指標としては血清クレアチニンのほうがより信頼性が高いと考えられます。

血清クレアチニン(Cr)

クレアチニンは筋肉に含まれているタンパク質の老廃物。本来は、尿素窒素と同様に腎臓の糸球体でろ過され尿中に排泄されますが、腎臓の機能が低下すると尿中に排泄される量が減少し、血液中にクレアチニンが溜まります。腎臓の機能の低下とともに、血清クレアチニンの値は高くなってきます。ただし、初期の腎臓病の診断には不十分な場合があります。
血清クレアチニンの正常値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。
患者の状態によって異なりますが、8.0mg/dl以上となると透析導入が検討されます。

クレアチニン・クリアランス(CCr)

糸球体でろ過される血液の量を調べる検査。クレアチニンが実際にどのくらい腎臓で排泄されているかを見るための指標です。測定するには、1日の尿を溜めておき(24時間蓄尿)、その中にどの程度クレアチニンが排泄されているかを測定し、血清クレアチニンをもとに計算します(検査室で正確に2時間尿を溜める2時間法という測定方法もあります)。クレアチニン・クリアランスは腎機能を最も正確に把握でき、特に初期の腎機能悪化を鋭敏に捉えるという特徴があります。腎機能が悪くなるとろ過される量が減るため、クレアチニン・クリアランスの値も下がります。年齢が高くなるにつれても低下します。
正常値は、おおよそ100~120ml/分です。
注意
クレアチニン・クリアランスは慢性腎不全が進行すると
やや値が高めに出る傾向があるため、慢性腎不全が進行した場合には不正確になります。

画像診断(詳細な診断)

超音波検査や腹部CTなどで、腎臓の形、大きさや合併症(腫瘍や結石など)の有無を調べます。

腎生検(詳細な診断)

慢性的にタンパク尿や血尿があったり、腎機能に異常がある場合は、はっきりと診断をつけ最も適切な治療法を決定するために、腎臓の組織の一部を切り取り、顕微鏡で検査します。一般的には、うつぶせの状態になって腎臓に細い針を刺し、組織を一部採取します。腎臓にはたくさんの血液が流れ込んでいるため、腎臓に針を刺すことで出血する危険性もあり、腎生検は入院のうえ、経験豊富な腎臓専門医が行います。患者の状態によっては、腎生検を行わないほうがよい方もいます。検査には患者の同意が必要となります。

腎生検には大きく分けて2つの方法があり、病室や病棟で行うもの(超音波ガイド下針腎生検)と手術室で全身麻酔を行って実施するもの(開放性腎生検)です。