腹膜透析はPeritoneal(腹膜)を使ったDialysis(透析)を略して「PD」とも呼ばれます。
腹膜とは、肝臓、胃、腸などの内蔵表面や腹壁の内面を覆っている膜のことです。この膜に囲まれた空間を腹腔と呼びます。腹腔内に透析液を一定時間入れておくと、腹膜を介して血液中の老廃物や塩分、余分な水分などが腹腔内の透析液側に移動します。老廃物や水分などが透析液に十分に移行した時点で透析液を体外に取り出すことで、血液がきれいに浄化されます。
腹膜透析の方法にはCAPD:連続携行式腹膜透析とAPD:自動腹膜透析の2種類があります。
腹膜とは、肝臓、胃、腸などの内蔵表面や腹壁の内面を覆っている膜のことです。この膜に囲まれた空間を腹腔と呼びます。腹腔内に透析液を一定時間入れておくと、腹膜を介して血液中の老廃物や塩分、余分な水分などが腹腔内の透析液側に移動します。老廃物や水分などが透析液に十分に移行した時点で透析液を体外に取り出すことで、血液がきれいに浄化されます。
腹膜透析の方法にはCAPD:連続携行式腹膜透析とAPD:自動腹膜透析の2種類があります。
主に寝ている時間を利用して透析液の交換を自動的に行います。日中の自由時間を多く確保するために開発された治療法で、毎日の通学や通勤が必要な児童、学生、社会人などを中心に腹膜透析患者の約40%がこの方法で治療を行っています。
※十分な透析量を確保するために、夜間に加え昼間にも腹腔内に透析液を入れておく方法もあります(CCPD)。
※十分な透析量を確保するために、夜間に加え昼間にも腹腔内に透析液を入れておく方法もあります(CCPD)。
患者さんの声
就寝中の腹膜透析 仕事や旅行の制限を感じませんでした
東京都 女性 64歳(腹膜透析7年、血液透析5年)
12年前の春のこと、半年ほど前から検査数値が急に悪くなりはじめて、残業すれば頭痛がするし、1、2か月前からは通勤時に息切れするようになっていました。それでも「もう透析を具体的に考えましょう」と言われると、本当にショックでした。絶望感が強かったです。腹膜透析と血液透析の説明を受けましたが、とても悲しくて、良く理解できたか怪しいです。ちょうど3月末でしたので、仕事を続けるために腹膜透析を選択しました。フルタイムで働いていたので、自分なりに考えて血液透析では難しいと思ったからです。説明を受けてから1か月後の5月の連休を利用して腹膜透析を導入しました。腹膜透析では最初にカテーテルの挿入手術が必要なのですが、私は術後の痛みが2、3か月と長く続き、その期間は通勤も辛かったです。でも痛みがなくなって、気が付くと体調も良くなっていました。
私の場合は、主に寝ている間に機械を利用して行うAPD(自動腹膜灌流透析)でしたので、普通に勤務を続けることができました。保存期の後期よりはるかに体調も良く、会議や残業も平気でした。月2回ほど通院しました。若いころから、季節ごとに国内小旅行に行くのが習慣でしたが、導入後も変わらずに行っていました。1泊くらいなら透析液と透析液を温めるための加温器とカテーテルを繋ぐ器具を小さなスーツケースに入れて、ガラガラと引いて行きました。数泊する場合は、依頼すれば透析液の業者がAPDのための機械や透析液を直接ホテルへ届け、回収もしてくれました。
体調が良くなって、多分意欲的になったのでしょうか、通信教育で心理学の勉強もしました。スクーリングも問題なく参加できて、若い人との交流を楽しむことができました。腹膜透析しながら7年間勤務を続けたのち、退職して血液透析に移行しました。
腹膜透析は水分やカリウムなどの制限がいくぶん緩いので、食事の負担感はほとんどありませんでした。しかし、いずれ血液透析へ移行することを考えていたので、塩分に気を付けたり、水分の摂り過ぎにも注意しました。大好きな果物も、一度にたくさん摂らないよう習慣づけていきました。
腹膜透析ではおなかからカテーテルが出ているのがやはり不便ですし、出口感染の不安がいつもあります。気を付けていても、体調不良なときに感染することがあり、いつもカテーテルの状態に注意し、何かあればすぐに病院に行く必要があります。
腹膜透析を導入した病院には患者会がなかったので、私は個人会員として東京腎臓病協議会に入会しました。そして勉強会や交流会にはなるべく参加するようにしました。活動内容は血液透析療法のことが中心ではありますが、いずれ血液透析に移行する時のために、勉強して情報を集めることが大事だと思ったからです。
これから透析治療を受けることになる方にとっては、ある程度予想をしていても、いざ導入となると不安が大きく、みじめな気持ちになるかと思います。それでも透析というしっかりした治療を受けられるのですから幸運なのではないでしょうか。良い病院・クリニックを選んで、自己管理にも留意していけば、十分に生活を楽しむことができます。仲間はたくさんいます。一緒に頑張りましょう。
12年前の春のこと、半年ほど前から検査数値が急に悪くなりはじめて、残業すれば頭痛がするし、1、2か月前からは通勤時に息切れするようになっていました。それでも「もう透析を具体的に考えましょう」と言われると、本当にショックでした。絶望感が強かったです。腹膜透析と血液透析の説明を受けましたが、とても悲しくて、良く理解できたか怪しいです。ちょうど3月末でしたので、仕事を続けるために腹膜透析を選択しました。フルタイムで働いていたので、自分なりに考えて血液透析では難しいと思ったからです。説明を受けてから1か月後の5月の連休を利用して腹膜透析を導入しました。腹膜透析では最初にカテーテルの挿入手術が必要なのですが、私は術後の痛みが2、3か月と長く続き、その期間は通勤も辛かったです。でも痛みがなくなって、気が付くと体調も良くなっていました。
私の場合は、主に寝ている間に機械を利用して行うAPD(自動腹膜灌流透析)でしたので、普通に勤務を続けることができました。保存期の後期よりはるかに体調も良く、会議や残業も平気でした。月2回ほど通院しました。若いころから、季節ごとに国内小旅行に行くのが習慣でしたが、導入後も変わらずに行っていました。1泊くらいなら透析液と透析液を温めるための加温器とカテーテルを繋ぐ器具を小さなスーツケースに入れて、ガラガラと引いて行きました。数泊する場合は、依頼すれば透析液の業者がAPDのための機械や透析液を直接ホテルへ届け、回収もしてくれました。
体調が良くなって、多分意欲的になったのでしょうか、通信教育で心理学の勉強もしました。スクーリングも問題なく参加できて、若い人との交流を楽しむことができました。腹膜透析しながら7年間勤務を続けたのち、退職して血液透析に移行しました。
腹膜透析は水分やカリウムなどの制限がいくぶん緩いので、食事の負担感はほとんどありませんでした。しかし、いずれ血液透析へ移行することを考えていたので、塩分に気を付けたり、水分の摂り過ぎにも注意しました。大好きな果物も、一度にたくさん摂らないよう習慣づけていきました。
腹膜透析ではおなかからカテーテルが出ているのがやはり不便ですし、出口感染の不安がいつもあります。気を付けていても、体調不良なときに感染することがあり、いつもカテーテルの状態に注意し、何かあればすぐに病院に行く必要があります。
腹膜透析を導入した病院には患者会がなかったので、私は個人会員として東京腎臓病協議会に入会しました。そして勉強会や交流会にはなるべく参加するようにしました。活動内容は血液透析療法のことが中心ではありますが、いずれ血液透析に移行する時のために、勉強して情報を集めることが大事だと思ったからです。
これから透析治療を受けることになる方にとっては、ある程度予想をしていても、いざ導入となると不安が大きく、みじめな気持ちになるかと思います。それでも透析というしっかりした治療を受けられるのですから幸運なのではないでしょうか。良い病院・クリニックを選んで、自己管理にも留意していけば、十分に生活を楽しむことができます。仲間はたくさんいます。一緒に頑張りましょう。
腹膜透析のバッグ交換とは、新しい透析液をお腹の中に注入し、老廃物や水分などを含んだ透析液をお腹から取り出す(排液)するために必要な作業です。バッグ交換では、お腹から出ているカテーテルと新しい透析液が入ったバッグと排液用の空のバッグのセットを接続し、お腹の中の排液を出したあと、新しい透析液をお腹に入れます。その後、空になった透析液バッグと排液で満たされたバッグをお腹から出ているカテーテルから取り外します。
この接続・取り外し作業は、手動でも器械を用いて自動でも行うことができます。現在は、約30%が手動、約70%が自動で接続作業を行っています。自動的に接続を行う器械は音声ガイダンス付きのタイプが多いため、器械操作が苦手な方や目が見えにくい方でも操作がしやすくなっています。
この接続・取り外し作業は、手動でも器械を用いて自動でも行うことができます。現在は、約30%が手動、約70%が自動で接続作業を行っています。自動的に接続を行う器械は音声ガイダンス付きのタイプが多いため、器械操作が苦手な方や目が見えにくい方でも操作がしやすくなっています。